サイード『知識人とは何か』より

村岡が愛読するサイードは、1993年のリース講演の最終回で、60年代の世界の時代状況を次のように紹介している。
「反ヴェトナムや反アメリカ(この場合、「アメリカ的」はいつも Amerikanと綴られていた〔当時のアメリカにおける反アメリカ闘争において、アメリカのファシズム性を強調するために、ドイツ語風の綴りが採用されたため〕)といった問題系をたずさえていた60年代のラディカルな人間たちが、その信念をしめすとき、なにやら独断的で芝居がかっていたとすれば、・・・」

(Edward W.Said “Representations of the Intellectual” Vintage,1994 邦訳『知識人とは何か』大橋洋一訳平凡社1995)