1974(46歳)

「シグニファイング、言語、事物/態度の表明とともに」京都市美術館(京都) 「音」出品。

「フィルム・イクジビジョン・イバラキ ’74」茨木市立中央公民館(大阪)

「第7回現代の造形<映像表現 ’74>」アート・コアホール(京都)
「無限軌道」(映像)
木星探査機ボイジャーが飛んでいる最中、鉄道を電車が走り続けるのを横から撮った中に、ランダムに木星の映像を挿入したもの。

「第11回日本国際美術展」東京都美術館(東京)
「未確認の記録(バール)」 Record of Unidentified 110 ×230×40cm(石膏、バール(鉄道用)、松川事件裁判記録年表、鉄)
松川事件を取扱ったもの。証拠のバールが実は、アメリカ製であったため無罪となった。そのバールを一度石膏に埋め、それを掘り返した。松川事件裁判記録年表も逆に綴り直し、時間の発掘とをだぶらせた告発の作品。世間でこの事件が忘れられた頃に発掘(=発表)し直している。世の中に痕跡として残るという作品の持つ特殊性を逆に利用した告発である。
松川事件裁判記録年表 野間宏『黒い霧』参照。

未確認の記録(バール)1
未確認の記録(バール)2
未確認の記録(バール)3

未確認の記録(バール)

「無題」ギャラリー16(京都)
「音響片」(木、振動マイク)
京都の裏山の森の中の1本に振動マイクを固定して、その上下を楔状にのこぎりで切り取る。その音を収録し、その片を会場の床に置き、逆に木片をスピーカとして音を流した。物質に関わった音をまた自分から発する仕事。音=振動のトートロジー。時間の可逆性。

音響片
音響片
音響片

音響片

「音響体」(鉛板、振動マイク)
1mmの鉛板で振動マイクを金槌で叩きながら包んでいく音を収録し、また再生していく仕事。だん だん音が小さくなっていく。音を収録するための物質=振動マイクが、作品の中核となっていく。

音響体

音響体

「音響板」(木、振動マイク)
10mmのベニヤ板に振動マイクを取り付けて、角材を壁に置いて床と角材と壁に沿って折っていく 音が記録され、その音を自らが発信体=スピーカとなって自らの折れる音を発していく。
村岡の音の仕事は、物質の質との関わりから生じる振動=音を物体の質=他者性を通して再現していく作業である。物質の質を振動をメディアとして別の質を通した表現。音のおもしろさを追うのではなく、物質とのかかわりの音を提示する。自重に始まり、見えないものを現前化していく系列の仕事。これは音だけでなく、熱の仕事に拡がっていく。

音響板1
音響板2

音響板

「無題」信濃橋画廊(大阪)
「空化」The Void 60×600×120cm(手、ゴム、みみず、石、ガラス、熱、鉄、ラード、雨、木、光(電球)、石膏)
しりとり遊びを使った、物質の「しりとり」。物質が空化した後の痕跡だけが連続して提示される。
「未確認の記録(バール)」出品。

空化

空化