1968(40歳)
この頃、フナ釣りに熱中。
「第8回現代日本美術展」東京都美術館(東京)
「逃亡車」110×200×100cm(鉄、生ゴム、樹脂、フラスコ、水筒)
車の形をしている。アクセルを踏み込んだ時の力の状態を現している。車体(生ゴム)が伸びた状態のまま樹脂で固められている。生ゴム上にはインクで分断された馬が描かれている(図参照)。頭と尻尾の間は無限であり、永遠に縮まらない。すなわち止まった=進めない車である。目的地には永遠に着けない。その時の状態から逃れられない「完璧な絶望感」を表している。水筒にはもう少しの水しか残っていない。
「神戸須磨離宮公園第1回現代彫刻展-夜(光)と彫刻風と彫刻水と彫刻」神戸市須磨離宮公園(神戸)
「VISITANT(訪問者)」 Visitant 300×300×380cm(樹脂、鉄、石、ベアリング他)
宇宙からの訪問者。重力、無重力の問題。重力によって我々は呪縛されている。社会のアナロジーとして重力が使われている。重力からの開放=社会からの開放の希求を表現している。結び目の「余り」が進化して、鎖を分断して、将来は飛べるようになるかもしれない、羽が生えてきている。「逃亡車」の「完璧な絶望感」から一歩進んでいる。1957年の「背」が使われている。袋の中は空である。この仕事から「重力」を改めて指査する必要を感じて、「砂」「自重」に
続いて行く。