1963(35歳)

「第48回二科展」東京都美術館(東京)
「関西二科展」そごう百貨店(大阪心斎橋)
「加害者の椅子」A Chair of Assailant 220×180×60cm(鉄、バネ、ガラス)
反マッカーシズムの作品。椅子が縦に真っ二つに割れているが、溶接されたバネで繋がっている。パイプを咥えた鉄の裏に「USA」と書いてある。マッカーサーが座る死刑台の椅子=「加害者の椅子」である。

加害者の椅子

加害者の椅子

「トランク-No.1」Suitcase 45×55×16cm(銅、鉄、アルミ、都市ガス、その他)
南君のモニュメント。同志社の過激派(Uクラブ)であった彼は、世の中は自分の思うようにならない、という事で、ガス自殺する。宇宙物理にも興味を持っていて、当時の唯一の友人であった。死ぬ3日ほど前に来て、そのことを村岡に話す。その時、村岡はそれを否定しなかった。後に、村岡君も「そうかも知れん」と言ったと日記に書いていた事が分かる。トランクの中には都市ガスが入っている。
後の「タラップ(いろはにほ・・・)」でも、置き土産として「トランク」が置いてある。これは宇宙への旅のためのトランクでもあり、かつて南君と話していた「宇宙に出ると俺達は余りだった」というメッセージが入っている。
後の「折れた酸素」でも都市ガスが添えられているのは、この頃の挫折感を表している。個人的な問題と普遍性との関係を問うている。身体性ということもこの問題意識から出ている。

トランク-No.1

トランク-No.1