1957(29歳)

制作者集団「極」に参加(同年脱会)。 「関西二科展」大丸百貨店(大阪梅田)
「浮遊」(樹脂、生ゴム、螺旋管)
吸盤と吸盤の間にガラスが挟まって、吸引力によって空中に浮遊している。「吸盤」からの発展。自分で自分を支えて重力から離脱する。と同時に、外からの威圧=社会からも離脱=浮遊していくという。後の 1977年「ホヴァリング」に続くコンセプト。地上から浮いた痕跡がゴム=大地にくっきりと残っている。この作品でも、「もの」と「概念」とが、いくつかの接点を持って接していて、それらのなす「角度」が、諧謔性として観る者に迫ってくる。

浮遊1
浮遊2

浮遊

「京都アンデパンダン展」京都市美術館(東京)
「円形劇場による絵と詩と音楽とそして演劇の集い」大阪府立中央公会堂3階サロン(大阪) 大阪の劇団から制作者集団「極」に舞台装置の依頼が入って行ったもの。戦争中の内容で、左翼が拘束される台本よりイメージして作る。リングのような円形劇場の周りに有刺鉄線と土管を使って、舞台装置を作った。

「1957グループ連合展」大阪市立美術館(大阪)
「第42回二科展」東京都美術館(東京)
「対自」(モルタル、バネ、鉄)
モルタルの周りをバネでぐるぐる巻きにしたもの。「棲息」に続く。

対自・図

対自・図

「制作者集団「極」第2回展」村松画廊(東京)
「1954年7月(鉄)」、「革命の歌」出品。
「背」Back80×45×60cm(鉄、樹脂)
樹脂を鉄の楔(もち)で繋いだもの。中は空洞でこれも防御性の作品。カフカの甲虫=自己防御の表現。
戦後世界に対して違和感を保ち続けるための防御壁。

背