1973(45歳)

「閉回路」立体ギャラリー射手座(京都)
「閉回路」Closed Loop 5×5×37cm(鉄、振動マイク、金槌、テープレコーダ)
叩いた音が5秒遅れで椅子に伝わってくる。それを感じてまた人が金槌で鉄板を叩く、という人の介在した閉回路を構成する作品。

閉回路

貯蔵-光

閉回路

閉回路(鉄板に関するルール)

閉回路(図)

閉回路(図)

「村岡三郎二十年の記録展」信濃橋画廊エプロン(大阪)
「日韓現代彫刻展」兵庫県立近代美術館(神戸)
「鉄」出品。
「負の鉄」Negative Iron 14×30×21cm(鉄)
鉄の表面を擦り続けて、物質自体を消去していく作業。鉄の表面に日にちを刻印し、その刻印がなくなったらまたその日の刻印をして、その作業を繰返す。1年以上続けるが、腰が痛くなって止める。自分で自分を減らしていく、負のトートロジーの表現。「PlanⅠ-(Iron)」「PlanⅡ-(Iron distance)」と呼ばれることもある。

負の鉄1
負の鉄2

負の鉄

「第5回日本芸術大賞展」伊勢丹(東京新宿)
「貯蔵-蝿の生態とその運動量」出品。

「第1回彫刻の森美術大賞展」彫刻の森美術館(箱根)
「貯蔵-音」Storing-Sound 100×600×300cm(鉄、振動スピーカー、集音マイク、アンプ、電話回線、その他 )

貯蔵-音

貯蔵-音

「現代日本美術展<現代美術20年の展望>」東京都美術館(東京)

「1973京都ビエンナーレ<集団による美術>」グループ "Equivalent Cinema"に参加 京都市美術館(京都)

「第6回現代の造形<映像表現 ’73>写真、フィルム、ビデオ」京都市美術館(京都)
「グラインダー」(映像)
グラインダーの回っている状態を編集も無しでそのまま映像に撮ったもの。映像の中での時間性(撮る側)と現実の時間(見る側)との関係の意味を剥奪していくミニマルな仕事。

「アサヒ=アート・ナウ ’73」梅田近代美術館(大阪)
「ペット」5×5×37cm(鉄、くさり、地図)
鉄をくさりで引き摺り続けて、消えた鉄と道路の関係の痕跡を視覚化した作品。車で引張った経路を地図にも記した。しばらくは、歩いて煙草を買いに行くのにも引き摺って行っていた。

ペット1
ペット2

ペット

「第9回今日の作家73年展」横浜市民ギャラリー(横浜)
「貯蔵-蝿の生態とその運動量」出品。

「第5回現代日本彫刻展-形と色」宇部市野外彫刻美術館(山口)
「ロード阿倍野橋筋」(鉄、シルクのインク缶)
敷き詰められたセメントタイルが阿倍野橋筋と宇部の会場で同じ物が使ってあったので、阿倍野橋筋の写真を撮って、宇部の会場にシルク印刷した。そのうえで、宇部でのシルク印刷に使ったインク缶を現地の空間内に置き、その影だけ描き足した。空間移動=移相のトートロジー。村岡の仕事には、空間の移相、音の移相、熱の移相、状態の移相、エネルギーの移相、時間の移相等、「ずれ」=差異化することによって、存在の本質を現示する手法が、多く用いられている。この「移相」という方法は、「もの」と「概念」とが接点を持って接していて、それらのなす「角度」が大きければ大きいほど作品として成功するという村岡の製作原理から派生したひとつの重要な手法である。

ロード阿倍野橋筋1
ロード阿倍野橋筋2

ロード阿倍野橋筋

「アート・コアオープニング展<映像と影像>-フィルムコミュニケーション」アート・コアギャラリー(京都)

「Film Exhibition in Signum FILMARTS」Signum(京都)

「アート・コア・フィルム・トリップ」アート・コアホール(京都)

「第1回信濃橋画廊懇談会<パリ・ユーゴ・サンパウロ・ヴィエンナーレ>」に参加 信濃橋画廊エプロン(大阪)

「村岡三郎+乾由明」ダイアローグみづえNo.817 4月号

「負の銅貨」Negative Copper Coin 10×8cm(10円銅貨、銅板)
10円銅貨の表面を半年間擦り続けて、物質の意味性を消去していって元の物体に戻す作業。美術手帖の1973年11月号の表紙のために制作。

負の銅貨(美術手帖1973年11月号)

負の銅貨(美術手帖1973年11月号)